ホルモンと薄毛

人には、性別というものがあります。いや、人だけでなくほとんどの動物が性別を持っています(両性具有的な単性の微生物はいますが)。
男性がいて、女性がいて、そこにはいくつかの違いがあります。身体つきや、物の考え方にもちょっとした違いがあると言われています。
もちろん、社会的な事柄を語るときにことさらに男女の違いを言い立てるようなことは、今の世の中ではあまり良いとはされていません。性別が違おうとも、出来ること出来ないことに区別をつけるべきではないというのが現代の価値観であり、おおむねそこには間違いがないと思われます。
ただ、特に今回のように人体の構造から考えなければならないような問題について云々する場合には、男女の違いをまずは考えるべきです。

例えば、男性を男性たらしめているもの、女性を女性たらしめているものに、それぞれ「ホルモン」というものが存在しています。簡単にいえば、男性を男性っぽく、女性を女性っぽくする物質。
専門用語的には、生理活性物質という名で呼ばれています。この物質が体内のさまざまなところでつくられ、臓器やその他の器官に作用することによって、人は「それっぽさ」を手に入れることになります。
男性っぽい腕とか、男性っぽい喉、女性っぽい身体のラインなどをつくっているのがホルモンというものなのです。

人体のてっぺんに位置する頭にあらわれる「薄毛」という現象は、このホルモンの作用が原因で起こるものであると考えられてきましたし、それは間違いではありません。
男性ホルモンの働きによって、男性の身体は男性っぽさを獲得し、年を経たときにあらわれる男性っぽい身体つきや諸器官の変化も得るということになります。その結果として、髪の毛はその量を減らしていくことになるのです。
年をとった男性の額が徐々に後退していくのは、まさにホルモン的な宿命であるといえるわけです。
具体的には、男性ホルモンの中に含まれているテストステロンという物質に、髪の毛が活発に生え、伸びるのを抑制する働きがあるのです。

ところで、テストステロンの働きが頭髪に及ぶのは、男性が年齢を重ねたときだけにはとどまりません。例えば若いときでも、ホルモンのバランスがちょっとした変調を迎えることで、テストステロンが多く分泌されることはあります。
それによって、若い男性の中でも薄毛という現象が出てくるようになるのです。
また、「男性ホルモン」という名前が付いているからといって、このホルモンが男性だけに存在しているわけではありません。男性と女性の違いは、分泌されるホルモンの違いではなく、どちらが多く分泌されるかということで決まってきます。
ですから、何かのきっかけで男性の中で女性ホルモンが多く分泌されるようになったり、女性の中で男性ホルモンが多く分泌されるようになったりすることがあるのです。

年齢や性別でバランスをとっているはずのホルモンが、ちょっと足を踏み外してしまうと、若い男性に薄毛の現象が現れたり、女性が薄毛に悩むようになってしまったりするのです。
そういうわけで、薄毛治療の現場では、崩れてしまったホルモンバランスを改善するという方面からこの問題を解決しようという取り組みも行われています。

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